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アスリート交差点2020

今を楽しむ 負けたら強くなれる=卓球・伊藤美誠

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女子シングルス決勝、ショットを放つ伊藤美誠=丸善インテックアリーナ大阪で2021年1月17日、久保玲撮影
女子シングルス決勝、ショットを放つ伊藤美誠=丸善インテックアリーナ大阪で2021年1月17日、久保玲撮影

 アスリートだから勝つこともあれば、負けることもあります。いつも心掛けているのは勝っても負けても、自分の力を出し切ることです。負けても得るものが多ければ、試合をしたかいがあったと感じられますし、意味があります。課題も明確になります。勝っても得るものがなければ、どんな練習をしたらいいのか分からなくなります。

 忘れられない負けはあります。1月の全日本選手権シングルス決勝がそうです。石川佳純選手(全農)に3―1でリードしながら、そこから挽回を許し、3―4で逆転負けした試合です。試合後、10分ほどだったと思いますが、ベンチから本当に動けませんでした。あの時も試合後に話したと思いますが、「これが現実なんだ」という気持ちで受け止め切れませんでした。あんな思いは初めてのことでした。

全日本選手権女子シングルス決勝で優勝を逃し、涙を流す伊藤美誠。負けるたびに強くなれる=丸善インテックアリーナ大阪で2021年1月17日(代表撮影) 拡大
全日本選手権女子シングルス決勝で優勝を逃し、涙を流す伊藤美誠。負けるたびに強くなれる=丸善インテックアリーナ大阪で2021年1月17日(代表撮影)

 全日本は誰にも負けないと思えるぐらい練習して臨みましたし、自信もありました。準決勝の早田ひな選手(日本生命)との試合も接戦になって厳しかったですが、自分の力を出し切ることができました。決勝では経験豊富な石川選手を乗せてしまいました。4―1で勝ち切れなかったことは本当に悔しかった。

 試合後、2日間完全に休みました。もともと休む予定でしたが、何も考えたくないと思いました。しばらくはふとした瞬間に試合の場面がよみがえってきました。眠るために目をつむっても、練習で攻撃がいいコースに決まっても、あの時こうしていればという思いがわいてきました。それでも頭も心も体も休めたら次の試合に向けて準備しようと思えるようになりました。

 印象に残っている敗戦ベスト3ですか? 嫌なことは忘れてしまうタイプなので、昔の試合は少ないですが、それでも「挽回負け」は忘れられないものです。2016年リオデジャネイロ五輪の団体準決勝でドイツと対戦しましたが、シングルスで負けたソルヤ選手との試合がそうです。最終ゲームで9―3でリードしながら7連続失点。最後はジュースとなりましたが、勝ち切れませんでした。

 19年10月のスウェーデン・オープン決勝で中国の陳夢選手に3―1から逆転負けした試合も覚えているし、19年11月のワールドカップ(W杯)団体戦(東京)決勝で中国の孫穎莎選手に逆転負けしたのも悔しかった。ああいう大きな舞台で中国の選手に勝っておけば、次に戦う時に違いますからね。中国選手に負けるたびに思うのが集中力の差、相手のミスの少なさです。

 それでも、一番悔しいのはやっぱり今年の全日本シングルス決勝ですね。忘れられないです。ただし、気づいたこともあります。負けたら人は強くなれるということです。いまはそう思えるぐらい、もっと強くなっています。(あすはバドミントンの奥原希望です)

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