岡山の二つのハンセン病療養所 3000人分の解剖記録見つかる

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国立ハンセン病療養所「長島愛生園」の旧収容所=岡山県瀬戸内市で2018年12月1日、三野雅弘撮影
国立ハンセン病療養所「長島愛生園」の旧収容所=岡山県瀬戸内市で2018年12月1日、三野雅弘撮影

 岡山県瀬戸内市の国立ハンセン病療養所「長島愛生園」と「邑久(おく)光明園」で、戦前から戦後にかけて亡くなった入所者計約3000人分の解剖記録が相次いで見つかった。ハンセン病患者を巡っては熊本県の「菊池恵楓(けいふう)園」でも入所者の遺体が解剖されていたことが判明している。

 長島愛生園によると、保管していた元職員から2020年末に報告を受けた。開所翌年の1931年から56年までに亡くなった1834人分で計32冊に及び、1人につきB4判で4ページほどに病状や死因、臓器の図解や写真などが記載されていた。

 解剖の同意については「剖検願(ぼうけんねがい)」という書類に、いずれも本人と他の2人の計3人のサインが記されていた。多くは亡くなる数日前に書かれており、職員の筆跡とみられるサインもあったという。同園の山本典良園長は「本人の意思であったかどうかは疑問だ。同意の取り方に問題はあった」とする一方、「非常に丁寧に記録され、医学的価値はある。ハンセン病を解明しようという医師の熱意は伝わってくる」と話した。

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