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気候変動対策強化へ世界が動き始めました。日本も新たな目標を設定。地球を守るために何が必要でしょうか。

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46%削減という新たな「野心」 遂げられるか 経済界の本音は

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風力発電施設=秋田市で2020年8月26日、古川修司撮影
風力発電施設=秋田市で2020年8月26日、古川修司撮影

 国内の温室効果ガス排出量を2030年度までにどれほど減らす必要があるのか。菅義偉首相が出した答えは「13年度比46%削減」だった。従来目標から大幅に引き上げた結論の内幕を探ると、「政治主導」にこだわった首相の姿勢が浮かび上がる。一方、地球温暖化対策で世界の主導役を自任するバイデン米大統領も22日、30年までに05年より50~52%削減という野心的な方針を打ち出した。

首相がこだわった「政治主導」

 「世界各地で異常気象が発生する中、脱炭素化は待ったなしの課題だ。あらゆる分野でできる限りの取り組みを進め、経済社会に変革をもたらしていく」。22日夕に開かれた地球温暖化対策推進本部(温対本部)で、菅首相は50年ゼロ達成に向け30年度目標を引き上げる意義を強調した。

 菅首相は政治主導で新目標を打ち出す姿勢にこだわった。16日の日米首脳会談後、30年度目標について記者団に問われた菅首相は「50年カーボンニュートラル(排出実質ゼロ)を宣言しているので、私には責任がある」と、22日までに方針を決めることを明言していた。

 バイデン大統領主催の「気候変動に関する首脳会議(気候変動サミット)」開幕当日の22日朝、菅首相は梶山弘志経済産業相と小泉進次郎環境相を首相官邸に呼び温対本部の会合を開催することを伝えた。結局、菅首相が温対本部に新目標を示し、政府として決定したのはサミット開始の約3時間前。政府関係者は「最後は首相一任。事務方は何も知らされず、『菅のみぞ知る』状態だった」と打ち明ける。

高いハードル それでも不十分?

 だが、新目標達成は容易ではない。現行の「30年度までに13年度比26%減」などこれまでの排出削減目標は、政府が、産業▽家庭▽運輸――など分野別に「削減可能」と考えられる量を足し合わせたうえで目標を設定。目標値の根拠や実現可能性に重きを置いてきた。

 政府関係者によると、今後9年間の再生可能エネルギー導入の見通しなどを踏まえて、経産省と環境省がどこまで削減できるか試算をしているという。だが…

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