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サッカー界「みなし開催」に戦々恐々 3度目の緊急事態

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写真はイメージ=ゲッティ

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う3度目の緊急事態宣言で、対象地域のプロスポーツは原則無観客になる。Jリーグが無観客となれば昨年7月以来。機先を制するように19日にはプロ野球とともに「発令されても無観客開催とはしない方針」と公言したが、再びスタジアムが無人となる窮地だ。「延期よりは無観客でも開催できればいい」と受け止めるリーグ関係者がいる一方、「無観客は経営面での打撃が大きい」と危ぶむ声は根強い。

 試合ができれば御の字――のクラブもある。今季は日程が消化できないと戦わずして負ける可能性がある「みなし開催」の特別ルールがあり、クラブ側はナーバスになっている。特にJ1ガ大阪はクラスター(感染者集団)の発生で既に消化が大幅に遅れている。そこへ来て大阪府の吉村洋文知事が各種イベントの「中止または延期」に言及し、戦々恐々としていたためだ。

 ガ大阪では3月に選手6人を含む8人が感染し、チームの活動停止に伴い6試合が中止された。当時、小野忠史社長は代替開催へ「中1日でもチャレンジしたい。無理してでもやる覚悟」と語った。

 今季は4チームがJ2に降格する。公平性確保の観点から全日程の消化が必要で、仮に延期されて代替日程が組めない場合、「みなし開催」では悪天候などの不可抗力の場合は「0―0の引き分け」とするが、一方のクラブに責任がある場合はそのチームが「0―3で敗戦」となる。ガ大阪は最悪の場合、6連敗かつ得失点でマイナス18となる可能性があった。

 その後、全6試合の代替日程が決まったものの、過密日程になる。このうち5試合は本来はリーグ中断期間となる東京オリンピックの時期に組まれた。7月24、27、30日、8月3、6日とほぼ中2日で、札幌、仙台遠征も含まれる。それでも主将のDF三浦弦太は「やらずして負けになるよりはありがたい」と語っていた。

 昨季は2位だったガ大阪は今季、7試合でわずか1勝、1得点。試合数が少ないとはいえ降格圏の17位に沈む。宣言期間中は5月2日に敵地で4位セ大阪との大阪ダービー、8日には首位川崎をホームに迎える。クラブ関係者は「日程が『後ろ倒し』になっても無観客でも厳しい状況は変わらない」と話す。宣言明けまでに復調のきっかけをつかみたいところだ。

  ◇

 Jリーグは感染防止策を講じながら、昨年7月から段階的に観客を迎え入れた。2度目の緊急事態宣言が延長された時期に今季の公式戦が始まった際も無観客とはしなかった。村井満チェアマンは日本野球機構(NPB)と19日に開いた会議後、「去年と同じ『緊急事態宣言イコール無観客』という話では全くない」と訴えた。「最終的には行政に従う」としながらも、観客席でクラスターが発生していないことに触れ、科学的な根拠に基づいて判断するよう自治体に求めていた。しかし、変異株による感染拡大を受け、感染者が増えている大阪だけでなく他地域でも、人の移動自体を減らす対策へかじを切った。

 宣言対象地域のFC東京の長谷川健太監督は23日、「決定に従うことが大前提。サポーター、選手を含むサッカー関係者の健康が大事。変異株が出てワクチン接種も進まない状況であれば、観戦によって感染したということがあってはいけない。万が一を防ぐためにも要請に応えるべきだ」と理解を示した。

 ワクチン接種が進む欧州で、スペイン1部は昨年6月の中断明けから無観客開催が続く。FW久保建英(ヘタフェ)は今年3月、U24(24歳以下)日本代表として東京と北九州で試合をした際、「自分にとっては久しぶりの観客を入れての試合。観客やサポーターのみんなに支えられていることを思い出せる機会になればいい」と、観客の存在の大きさを口にした。

 昨年5月に欧州でいち早くリーグ戦を再開したドイツ1部や、イングランド・プレミアリーグは観客を入れて一時開催したが、感染再拡大ですぐに無観客に戻した。一方、欧州サッカー連盟(UEFA)は6月開幕の欧州選手権で、大半の会場で観客を迎える方針を示している。【長宗拓弥、谷口拓未、大谷津統一】

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