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イチゴなど野菜や果物の実を栽培するために欠かせない授粉に、ハエを使う農家が増えている。これまでミツバチに頼っていた花粉の運び屋を、なぜ嫌われ者のイメージが強いハエが担うことになっているのか。「働きバチ」ならぬ「働きバエ」の現場を追った。
3月中旬、鹿児島県指宿市のビニールハウス内でピンクの花の周りを、金属のような緑色の光沢を放つハエが飛び交っていた。その姿に「農家の救世主になる」と期待を込めるのは、マンゴー生産者の有村隆雄さん(76)だ。有村さんは2年前からマンゴーの授粉にハエを使う試験栽培に取り組んでいる。
従来はミツバチだけを利用していたが、働きが悪くなると実ができる割合が大幅に減ることが悩みだった。そんな時に授粉用のハエの存在を知った。岡山大医学部発のベンチャー「ジャパンマゴットカンパニー」(岡山市)が2012年に販売を始めた「ビーフライ」だ。「ハチ(ビー)のような働きをするハエ(フライ)」という意味を込め命名された。
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