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日本でここだけ? 国民的スポーツを支える「野球専門司書」とは

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野球関係の蔵書が並んだ野球殿堂博物館の図書室で仕事をする茅根拓さん=東京都文京区で2021年4月23日午後2時42分、中村有花撮影
野球関係の蔵書が並んだ野球殿堂博物館の図書室で仕事をする茅根拓さん=東京都文京区で2021年4月23日午後2時42分、中村有花撮影

 人呼んで「野球専門司書」。東京ドーム(東京都文京区)内にある野球殿堂博物館の図書室で、主任司書として働く茅根(ちのね)拓さん(38)はそんな存在だ。野球経験も野球をじっくり見たこともなかったが、10年以上勤めるうちにすっかり詳しくなり、観戦も日常的になった。野球のことなら何でも分かる「野球情報センター」を目指し、蔵書の充実に力を入れている。

本に囲まれた子ども時代

 東京ドーム東側21番ゲート付近。野球選手の像で装飾された野球殿堂博物館の入り口がある。図書室は地下の右手奥。野球を中心にスポーツに関する書籍や雑誌、スポーツ新聞など約5万点の資料を備える。ここが茅根さんの職場だ。今は新型コロナウイルスの影響で予約制だが、普段は博物館利用者なら誰でも自由に出入りできる(緊急事態宣言のため4月26日から当面の間は臨時休館)。

 司書は本の管理や利用者へのサービスを担う専門職。茅根さんは責任者として、やはり野球の知識が豊富な他の数人の司書とともに野球関連書籍の収集・管理や館内限定の貸し出し手続き、書誌情報の登録など運営全般を担当している。子どもたちの自由研究のサポートもやりがいのある仕事という。

 利用者から「いいねえ。楽しそうな仕事をしているね」「すごく野球が好きなんでしょ?」と声を掛けられるが、もともと野球専門の司書になろうと考えていたわけではない。

 茨城県出身。子どもの頃から、いつも周りに本があった。リビングだけでなく、子ども部屋に面した廊下にも本棚が並び、「からすのパンやさん」や「14ひきのあさごはん」など定番の幼児向け絵本がそろっていた。両親は寝る前に読み聞かせをしてくれ、図書館にもよく連れて行ってくれた。高校時代は図書室に入り浸った。本にカバーをかけるなど「図書委員のような仕事もしていた」と笑う。図書館が好きだった。

 大学卒業後、金融系の一般企業に入ったが…

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