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ヤングケアラー

通学や仕事をしながら家族の介護をする子ども「ヤングケアラー」。将来が左右される深刻なケースも。

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ヤングケアラー~幼き介護

元ヤングケアラー、支援や相談体制整備訴え 政府PT会合で

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写真はイメージ=ゲッティ 拡大
写真はイメージ=ゲッティ

 家族の介護・世話をする子ども「ヤングケアラー」の支援に向けた政府のプロジェクトチーム(PT)の会合が26日あり、元ヤングケアラーらが自らの経験をもとに、学校現場での適切な支援や相談体制の整備などの対策を取るよう訴えた。PTは支援策を5月中にまとめる予定だ。【三上健太郎/デジタル報道センター】

 ヤングケアラーをめぐっては、政府は教育現場への全国調査を初めて実施し、その結果を4月12日に公表した。公立中学2年生の5・7%(約17人に1人)、公立の全日制高校2年生の4・1%(約24人に1人)が「世話をしている家族がいる」と回答し、世話の対象はきょうだいが最も多かった。

 この日の会合では、聴覚障害がある3歳年下の弟を持つ弁護士の藤木和子さんが、弟のコミュニケーションの手助けのために口の形や身ぶりで「通訳」したり、毎日のように学習をサポートしたりした経験を語った。

 藤木さんは、弟のケア以外にも母親の感情面を支えたり、周囲から過度な期待を寄せられたりするなどの重圧を感じたという。藤木さんは「狭義の『ケア』に入りきらない課題がある」と吐露し、多様なニーズにあった選択肢を示せるよう、教員ら子どもに関わる人たちへの研修の必要性などを説いた。

 兵庫県尼崎市でスクールソーシャルワーカーとして働き、自らもヤングケアラーだったという黒光さおりさんは、家事や見守りなど幼いきょうだいの世話に追われる中学生の声を紹介した。2年の女子生徒は「吹奏楽部をやめて友達と距離ができた」「勉強もできず成績が落ち、学校がおもしろくない」と訴えているといい、黒光さんは「子どもが大人並みの育児を担うのは大変な負担だ」と指摘した。

 黒光さんによると、子ども自身が他の家族との違いが分からず苦しい状況を理解できなかったり、年齢よりしっかりした振る舞いをしたりするため、支援が届きにくいという。「ヤングケアラーと接する可能性のある人や機関が、知識や理解を持つことで支援に結びつく」と述べ、学校以外でも子ども食堂など居場所を提供している地域への支援の必要性を訴えた。

 他にも難病の母親を10代から介護し、当事者らのオンラインコミュニティーを主催している宮崎成悟さんや、精神疾患の母親を持つ坂本拓さんらが経験を語った。

【ヤングケアラー】

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