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ASEANとミャンマー 地域安定の責任果たす時

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 混迷するミャンマー情勢の打開をめざし、東南アジア諸国連合(ASEAN)が外交努力を本格化させている。

 24日の臨時首脳会議で、ミャンマー国軍に暴力の即時停止を求める議長声明を発表した。

 国軍による2月のクーデター以降、情勢は悪化する一方だ。死者は750人を超えている。

 だが、国連安全保障理事会の取り組みは奏功していない。米欧は経済制裁を科したが、国軍の行動を変えるには至っていない。ASEANの役割は大きい。

 議長声明は暴力の停止に加えて、国軍と民主派の対話を促し、現地に特使を派遣することを盛り込んだ。

 東南アジアの10カ国で構成するASEANは従来、多様な政治体制を互いに認め、内政不干渉を原則としてきた。だが、今回は一歩踏み込んだ対応を打ち出した。

 マレーシアのムヒディン首相は「地域の平和と安定を危うくさせる状況を無視していいわけではない」と強調した。国軍は地域諸国の「深い懸念」を重く受け止めるべきだ。

 ただ、ASEANによる働きかけは一筋縄ではいかない。

 首脳会議には、ミャンマー国軍のミンアウンフライン最高司令官が出席したが、民主派の「国家統一政府」は参加できなかった。対話の環境作りが課題だ。

 加盟国の中にはミャンマー情勢への関与に消極的な国があり、足並みがそろっていない。タイとフィリピン、ラオスは会議の出席者を外相にとどめた。

 国軍はデモ隊に銃を向けるだけでなく、民主派を支援する少数民族武装勢力の支配地域への空爆も始めている。

 国連の人権高等弁務官は、内戦で荒廃したシリアと同じような状況になることを憂慮する声明を出した。

 ミャンマーでの弾圧が長期化し、政治、経済が機能しない「破綻国家」になれば、影響は東南アジア全域に及ぶ。地域の安定を必要とするASEANには、それを防ぐ責任がある。

 ミャンマー情勢の泥沼化を食い止めるため、日本を含む国際社会はASEANの取り組みを後押ししなければならない。

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