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奈良知事「追加販売知らなかった」 GoToイート停止で釈明

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記者会見で「GoToイート」の販売停止について説明する荒井正吾知事=奈良市の県庁で2021年4月27日、久保聡撮影 拡大
記者会見で「GoToイート」の販売停止について説明する荒井正吾知事=奈良市の県庁で2021年4月27日、久保聡撮影

 政府の外食需要喚起キャンペーン「GoToイート」を巡り、奈良県は27日、プレミアム付き食事券の追加販売を5月11日まで停止すると発表した。前日に販売を始めたばかりだったが、新型コロナウイルスの感染拡大で病床が逼迫(ひっぱく)する中、批判が殺到。わずか1日で撤回に追い込まれた。荒井正吾知事は記者会見で、追加販売について「知らなかった」「事務的な齟齬(そご)があった」と釈明した。

 GoToイートは、新型コロナで売り上げが落ちた飲食店を支援するため、政府が消費者に食事代を援助し、店の利用を促す事業。限られた地域内で使えるプレミアム(上乗せ)付きの食事券を、都道府県が販売している。県は26日、1000円券12枚のセットを1万円で発売していた。

奈良県のコロナ対策 拡大
奈良県のコロナ対策

 しかし、奈良県と接する大阪府など4都府県では感染者数が急拡大し、25日から緊急事態宣言が発令。奈良県も直近1週間の人口10万人当たりの感染者数(27日時点)は49・4人で、国の指標で最も深刻なステージ4(感染爆発)に達している。病床使用率は27日時点で75・5%に上る。

 こうした状況を受け、追加販売には医療従事者から「医療崩壊を加速させるつもりか」などと批判の声が上がり、県庁にも27日朝から「何を考えてるんだ」「この時期にすべきことか」などと苦情の電話が相次いだ。

 さらに事業を実施する農林水産省が27日午前、県に対して慎重に対応するよう要請。西村康稔経済再生担当相も同日、荒井知事に直接連絡を取り、追加販売を控えるように伝えた。

「飲食店で感染拡大、証拠ない」

 荒井知事はこれまで「県内の飲食店で感染が拡大しているエビデンス(証拠)はない」と主張。県が食事券の販売を決めたのは、知事のそうした姿勢を受けた判断だったという。販売実務を担う事務局の関係者は取材に、「県にはこの時期に販売していいかを尋ねたが、大丈夫ということで了承を得ている」と話していた。

 県は27日午後に開いた新型コロナ対策本部会議で、大型連休に向けた感染拡大防止策を盛り込んだ「緊急対処措置」を決定。その中に、GoToイート食事券の追加販売停止や利用抑制を盛り込んだ。会議後、記者会見した荒井知事は「(県の)担当が(追加販売を)オッケーとしたが、私は知らなかった」と述べた上で、「責任はみな私にある」と認めて謝罪した。

 農水省によると、感染拡大を受け、26日時点で23都道府県が食事券の販売を一時停止。滋賀県や岡山県など、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が適用されていない地域にも販売停止や利用制限・抑制が広がっている。

奈良市長が知事を批判

 一方、まん延防止措置や宣言の発令を政府に要請するよう県に求めてきた奈良市の仲川げん市長は「明らかに奈良は行ってもいい場所という認知が広がったということだ」と荒井知事を批判した。

 同市は27日、大阪府などへの緊急事態宣言が発令された25日、3月下旬をピークに減少傾向だった奈良公園の週末の人出が約1カ月ぶりに増え、奈良公園方向に向かう大阪府内ナンバーの車も前日より2割増えたとの調査結果を発表した。人出はスマートフォンなどのWi―Fi電波センサーで、車両は市庁舎前を通過した台数を調べた。

 その結果、奈良公園では25日の日曜日に前週18日より約900人多い4098人を感知。通過車両では、大阪府内ナンバーが24日の621台から25日には757台に増加したという。

 仲川市長は「万一、奈良が大丈夫だという間違った理解をしている人がいれば全力でそうではないと伝えたい」と危機感をあらわにし、「県にもゴールデンウイーク(GW)中に奈良に人が流入しないよう緊急性のあるメッセージを出してもらいたい」と知事に水を向けた。【久保聡、稲生陽】

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