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ミャンマークーデター

ミャンマー国軍がクーデターを起こし、アウンサンスーチー氏らを拘束。市民や国際社会からは抗議と批判が相次いでいます。

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悲劇のサイクル終わらせたい 在日ミャンマー人「30年越しの願い」

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国軍の弾圧から日本に逃れてきたチョウチョウソーさん。今年で日本在住30年になる=東京都豊島区高田で2021年3月30日午後5時5分、金志尚撮影
国軍の弾圧から日本に逃れてきたチョウチョウソーさん。今年で日本在住30年になる=東京都豊島区高田で2021年3月30日午後5時5分、金志尚撮影

 軍事クーデターが起きたミャンマーで、市民への弾圧が連日のように続いている。日本人を含めたジャーナリストの拘束も相次ぎ、事態は悪化の一途をたどる。日本には現在約3万2000人のミャンマー人が暮らしているが、その中にはかつて国軍の弾圧から逃れてきた人もいる。遠のく母国の民主化を、異国の地でどんな思いで見ているのか。【金志尚/デジタル報道センター】

早朝に届いた動画で知った、母国の異変

 東京・高田馬場といえば「学生の街」を思い浮かべがちだが、アジア情緒を感じさせるレストランや雑貨店などが並ぶ一角がある。「リトル・ヤンゴン」。日本で最大級のミャンマー人コミュニティーは、本国の最大都市にちなんでこう呼ばれている。

 ミャンマー料理店「ルビー」を経営するチョウチョウソーさん(57)は、その日の午前7時ごろ、ネット交流サービス(SNS)にアップされた動画で母国の異変に気づいた。日本とミャンマーの時差は2時間半だから、現地は明け方を迎えたころだ。

 「国軍がNLDの地方議員を拘束する場面を映したライブ映像でした。議員に『何のためですか』と聞かれても、理由を言わずに無理やり捕らえていました」。NLDはアウンサンスーチー氏が率いる政党「国民民主連盟」だ。その議員を軍が拘束するということは――。考えられることは一つしかなかった。ヤンゴンに住む兄に、急いで電話した。「とにかくニュース番組を見てくれ」

 ミャンマーでクーデターが起きたのは2月1日だった。NLDが圧勝した2020年11月の総選挙について、軍は「不正があった」と主張。国会開会日の未明を狙い、スーチー氏やNLD所属の議員らを相次いで拘束した。さらに全土に広がった抗議運動も武力で抑え込み、多くの市民が命を落とした。犠牲者は既に700人を超えた。

 「軍のやり方は、今も昔も全く変わっていないということです。自分たちに反対する者は捕まえ、殴り、殺す。何でもやるのです」

 チョウチョウソーさんは記者にそう吐き捨てるように言うと、スマートフォンを手にした。…

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