水俣病公式確認65年 進まぬ国の調査 「地域外」未認定患者怒り

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救済対象地域の境界に原告仲間と立ち「エリアを分けるのはおかしい」と訴える本田征雄さん(右)=熊本県上天草市で2021年4月21日午後0時49分、西貴晴撮影
救済対象地域の境界に原告仲間と立ち「エリアを分けるのはおかしい」と訴える本田征雄さん(右)=熊本県上天草市で2021年4月21日午後0時49分、西貴晴撮影

 工場から海に排出されたメチル水銀が引き起こした水俣病は、1956年の公式確認から5月1日で65年となる。被害者救済に向けた取り組みが繰り返されてきたが、未認定患者1670人が国家賠償などを求める「ノーモア・ミナマタ訴訟」が熊本など三つの地裁で続く。被害の全容が分かっていないことも背景にあるが、国による調査は進んでいない。

 原因企業「チッソ」の水俣工場(熊本県水俣市)から不知火(しらぬい)海を挟み対岸にある同県上天草市。国と県、チッソに1人当たり450万円の賠償を求めたノーモア訴訟の原告、本田征雄さん(77)は「半世紀も前に水銀に汚染された魚を食べたことをどう証明しろというのか。納得できない」と憤る。

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