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バイデン政権100日 「トランプ決別」後が肝要

 バイデン米政権の発足から100日が過ぎた。問われたのは、感染が拡大する新型コロナウイルス、低迷する経済、揺らぐ国際政治にどう向き合ったかだ。

 1・9兆ドル(約205兆円)の緊急コロナ対策を講じ、新規感染者数は約7割減少した。

 2兆ドルのインフラ整備計画も策定した。失業率はなお6%と高く、雇用への効果が期待される。

 日本など同盟国と連携して中国に対抗し、気候変動対策で国際協調を主導する姿勢を示した。

 一連の政策は厳しい内外情勢への危機感を反映するものだ。世論調査の支持率は5~6割で、一定の評価があったといえよう。

 政権発足から100日間が注目されるようになったのは、1930年代の大恐慌下で就任したルーズベルト大統領が起源だ。

 「ニューディール」(新規まき直し)と銘打って大胆な政策を次々に打ち出した。危機に強い指導者の象徴とされるゆえんである。

 現下のコロナ不況は、大恐慌以来の深刻さといわれる。バイデン氏も対策を矢継ぎ早に発表し、克服に向けた姿勢をアピールした。

 ただし、その多くはトランプ前政権の政策を転換するものだ。ゆがんだ軌道を修正するのに精いっぱいの100日でもあった。

 重要なのは、助走期間を終えた後のバイデン政治の姿だ。

 同盟国を重視し、多国間主義に立ち戻るという。だが、国内対策に追われる中、トランプ政治の影はなお色濃く残る。

 「世界の警察官」として外国の紛争に関わり過ぎたというトランプ氏は「米国第一」を訴え、国民の共感を呼んだ。

 バイデン氏も「米国の外交は米国をより強くするためにある」と主張する。国際的な利益よりも米国の国益を優先する立場だ。

 自由貿易を重視しながら、トランプ氏と同様に国産品購入を奨励する「バイ・アメリカン」を掲げる。保護主義の側面は否めない。

 対中政策も不明確だ。強硬姿勢は示しても、基本方針の「競争、協調、対抗」のバランスをどうとるかは定まっていない。

 国際社会の利益にも目を向け、多くの同盟国と協調できる戦略を構築する。そうすることで初めてトランプ政治と決別できる。

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