フィギュアスケート 羽生結弦 10年の歩みと伝えてきた思い

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「花になれ」に乗り姶演技する羽生結弦=2012年、貝塚太一撮影
「花になれ」に乗り姶演技する羽生結弦=2012年、貝塚太一撮影

 フィギュアスケート男子の羽生結弦(26)=ANA=は、自らも被災した東日本大震災の当時と新型コロナウイルスの影響を受ける現在の社会が、同じように映ると話す。羽生は震災からの10年で、どんなメッセージを伝えてきたのか。その歩みを見つめてきた3人の担当記者が振り返る。

 ◆12年世界選手権

震災に向き合い花開く

 突然の「告白」にハッとさせられた。2012年3月31日、フランス・ニース。初出場で銅メダルを手にした世界選手権は、羽生の「出世試合」として知られる。レオナルド・ディカプリオが主演した映画の音楽に乗って「ロミオとジュリエット」を好演。演技を終えた羽生は、報道陣への取材に応じるミックスゾーンで、こう語ったのだ。

 「『被災地を元気付けたい』と思って世界選手権を目指したが、その考えは間違いだった。僕が皆さんに元気付けられた。ありがとうございます」

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