エスカレーターで歩かない条例 きっかけはパラ金メダリスト

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小林和樹さん 東京都理学療法士協会代議員=本人提供
小林和樹さん 東京都理学療法士協会代議員=本人提供

 「エスカレーターでは立ち止まる」――。埼玉県は3月、エスカレーターを利用する際は止まって乗ることを努力義務とする条例を制定した。全国の自治体でも初の条例とされる。エスカレーターの片側を空ける「暗黙のルール」の見直しを求めるものだ。実は、東京都理学療法士協会が5年前から呼びかけていた。障害者やお年寄りだけでなく、健常者も巻き込むユニークな呼びかけも行っている。仕掛け人の一人の同協会の小林和樹さんに聞いた。

「怖い」と感じる人がいること知って

 ――取り組みのきっかけを教えてください。

 ◆2016年夏に私たちの協会が開催した都民公開講座にお越しいただいたパラリンピック金メダリストで現在日本パラリンピアンズ協会長をお務めの大日方邦子さんから、こんな提案があったんです。「そろそろエスカレーターを歩いて上るような社会は変えていけませんでしょうか」

 理学療法士は、障害のある方や高齢の方の運動機能の維持・改善を目指すリハビリテーションの専門職です。病気やけがをした人の体をよくして、社会生活に戻れるよう支援する仕事です。しかし、大日方さんの言葉で、障害を改善するだけではなく、障害のある人が安全で安心して暮らせる社会を目指すことも我々の使命なのではないかと気づかされたのです。

 ――埼玉県が条例を制定したことはどう思いますか。

 ◆条例で定めることには、いろいろな考え方があるとは思います。しかし、私たちの協会としては、エスカレーターを利用する際に、不安に思っている人がいることを知っていただくきっかけになればうれしいと思っています。困った方に少しでも焦点が当たって、理解してもらえればと。いいタイミングで条例化していただいたと思っています。

 ――「いいタイミング」というのは?

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