貧困生み出す「18歳の壁」 ケアリーバー支援、公的制度拡充を

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厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館=東京・霞が関で、竹内紀臣撮影
厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館=東京・霞が関で、竹内紀臣撮影

 厚生労働省が30日にまとめた社会的養護経験者(ケアリーバー)の調査は、経済的に独り立ちできないまま、高校卒業を迎えると「自立」を求められる施設入所者らのその後の実態を浮き彫りにした。社会的養護制度の「18歳の壁」が貧困を生み出している可能性もあり、専門家は公的制度を拡充し、18歳以降も切れ目なく支援する仕組みを作るよう求めている。

「口座引き下ろし」すら知らず

 「既に成人しているので、こちらでできることはない」。関東の児童養護施設に入所した経験がある男性(22)は昨年夏、電話で施設職員からこう突き放された。男性は当時失業中。入所中から「施設を出たら一人でやっていくように」と「自立」を促され、高校卒業後に退所した。職員からは「つらくなったら電話して」と声をかけられたが、関係を断たれた。

 退所後は施設近くのアパートを借りて、正社員として働き始めた。しかし「生活の基本的なことは何も教わらなかった」。仕事が忙しくて平日に銀行に行けず、家賃を2カ月滞納した。困り果てて市役所に飛び込み、「口座引き落とし」の方法を教えてもらったこともあった。人間関係の悩みなどから転職を重ね、一時は路上生活も経験した。

 児童福祉法の対象年齢は18歳未満で、…

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