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搬送先ない…救急車で徹夜の酸素補給 「すでに医療崩壊」の大阪

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サイレンを鳴らし、街中を走る救急車=大阪市内で2021年4月30日、望月亮一撮影 拡大
サイレンを鳴らし、街中を走る救急車=大阪市内で2021年4月30日、望月亮一撮影

 「搬送先が見つからない患者がいる。受け入れてほしい」。4月20日午前、西淀病院(大阪市西淀川区)に救急隊から切実な要請があった。新型コロナウイルスに感染した50代の患者は、自宅で息が苦しくなり119番。しかし、10時間以上たっても搬送先が見つからず、消防署内で救急車を止めて、徹夜で酸素吸入を受けながら車内で一夜を明かした。この患者を受け入れた西淀病院の大島民旗(たみき)副院長は実感を込める。「入院すべき患者を搬送できない事態は、すでに医療崩壊だ」

ウェブ会議システム「Zoom」で取材を受ける西淀病院の大島民旗副院長=2021年4月21日
ウェブ会議システム「Zoom」で取材を受ける西淀病院の大島民旗副院長=2021年4月21日

 患者をすぐに救急搬送できない事例が大阪市内で急増している。コロナ患者で搬送先決定まで1時間以上かかったケースは、最も多かった4月12~18日の1週間で278件を記録し、3月初旬の約5・3倍に上った。最長で約2日間、自宅待機を余儀なくされた事例もあった。

 西淀病院によると、この患者は大阪市内の自宅で療養中に発熱し、呼吸も苦しくなったため、19日夕方に119番で救急要請した。大阪市消防局の救急隊は酸素吸入が必要な中等症と判断し、患者の受け入れ先を調整する大阪府入院フォローアップセンターに連絡したが、受け入れ可能な病院が見つからなかった。徹夜で探しても搬送先は見つからず、翌朝、救急隊は保健所に相談し、西淀病院に直接打診。同病院ではコロナ病床が1床しかない上、既に複数のコロナ患者を受け入れていたが、一般病床に感染対策を施し、スタッフも割り当てて、何とか受け入れた。入院後、患者の容体は安定しているという。大島副院長は「入院できる患者のハードルが上がってきた。このまま医療が逼迫(ひっぱく)し続けると、搬送段階で患者のトリアージ(治療の優先順位の選択)が進むだろう」と語った。【近藤諭】

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