町田樹氏の新たな挑戦 田中刑事選手に「継承プロジェクト」開始
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フィギュアスケート界で初の試みがスタートする。元フィギュアスケーターで国学院大助教の町田樹さん(31)が以前演じた自作のプログラムを、現役の田中刑事選手(26)が演じる。演目は「Je te veux(ジュ・トゥ・ヴ)」で、5月1日から横浜市で開催されるアイスショー「プリンスアイスワールド」で披露される。町田さんの研究をベースに「上演権許諾制度」を実践するという試みだ。題して「継承プロジェクト」について、町田さんに解説してもらった。【高橋咲子/学芸部】
「田中さんは『憑依型』もできる」
町田さんはソチ冬季五輪で入賞、世界選手権では銀メダルを獲得した元選手。現役引退後の2015年に早大大学院に進学し、プロスケーターとして活動しながら芸術的スポーツについて研究していた。プロ引退後の20年には「アーティスティックスポーツ研究序説」(白水社)を刊行、芸術的スポーツが持つ課題と可能性について多角的に研究した成果を織り込んだ。その一つに、著作権分野の研究がある。小説やバレエ作品、漫画や音楽は著作権保護の対象になるのはよく知られているが、フィギュアスケートの演技は著作物になるかという問いだ。
「フィギュアスケートや新体操などのアーティスティックスポーツの演技(振り付け)は著作物になりうるというのが、私の見解でした。これは学会でも認められました。次の段階として、…
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