USTR、中国「深刻な課題残る」 知的財産侵害で指摘

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 米通商代表部(USTR)は4月30日、貿易相手国の知的財産権保護に関する年次報告書を公表した。知的財産権侵害を是正せず制裁対象となる「優先国」の指定はゼロで、問題是正に向けた2国間協議の対象となる「優先監視国」には中国やインドなど9カ国を昨年に続き指定した。

 公表したのは米通商法に基づくスペシャル301条報告書。USTRが例年3月に公表する通商政策課題に関する年次報告書を踏まえ、知的財産権保護に焦点を当てた追加報告となる。バイデン政権での公表は初めて。

 報告書は冒頭で中国に言及。昨年2月発効した米中通商協議の「第1段階合意」に基づく中国政府の知的財産権保護の取り組みについて「十数件の措置を講じたが、問題を根本的に是正するには至っていない」として今後も実施状況を注視するとした。

 また、新型コロナウイルスの世界的流行を受け、中国からの輸出が急増した検査キットやマスク、除菌剤などで「大量の偽造品が見つかった」と言及し、「深刻な課題が依然として残っている」と指摘した。

 この報告書は、知的財産権保護に問題のある貿易相手国を、警戒レベルが高い順に「優先国」「優先監視国」「監視国」に指定。「優先国」に長期間指定され、問題の是正が進まない相手国に対しては制裁措置や世界貿易機関(WTO)への提訴を検討する。

 トランプ前政権は、スペシャル301条の手続きとは別に、貿易相手国の不公正な貿易慣行に対し制裁措置を講じる米通商法301条に基づき、年間輸入総額3700億ドル相当の中国からの輸入品に最大25%の追加関税を発動。バイデン政権も対中追加関税を継続している。【ワシントン中井正裕】

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