揺らぐヒエラルキー ヘイトクライム急増の背景にアジア系の躍進?

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第93回アカデミー賞で白人以外の女性として初めて監督賞を受賞した中国出身のクロエ・ジャオ監督=米ロサンゼルスで2021年4月25日、AP
第93回アカデミー賞で白人以外の女性として初めて監督賞を受賞した中国出身のクロエ・ジャオ監督=米ロサンゼルスで2021年4月25日、AP

 アジア系アーティストの世界的な活躍とヘイトクライム(憎悪犯罪)の増加は関係している――? 今年の米アカデミー賞で中国出身の女性監督が最高峰の作品賞に輝き、米グラミー賞に韓国のヒップホップグループ「BTS」がノミネートされるなど、映画や音楽界でアジア系の快進撃が続いている。その一方で、米国などではアジア系へのヘイトクライムが多発している。新型コロナウイルスの感染拡大がきっかけとされるが、「アジア系の躍進への反発」との見方も出ている。この事態をどうとらえればいいのか。世界で存在感を増すアジア系の光と影について、在米ジャーナリストや研究者に読み解いてもらった。【大野友嘉子/デジタル報道センター】

中国出身監督、韓国人俳優が快挙

 4月25日に米ロサンゼルスで開かれた第93回アカデミー賞の授賞式では、アジア系の監督や俳優が脚光を浴びた。ベネチア国際映画祭で金獅子賞を獲得した中国出身のクロエ・ジャオ監督の「ノマドランド」が最高峰の作品賞、監督賞、主演女優賞に輝き、韓国系移民一家を描いた「ミナリ」(リー・アイザック・チョン監督)で祖母役を演じた韓国人俳優、ユン・ヨジュンさんが助演女優賞に決まった。昨年、作品賞など4冠を達成した韓国作品「パラサイト 半地下の家族」に続く快挙だった。

 これに呼応するように、映画界に貢献した人に贈られるジーン・ハーショルト人道賞を受賞した俳優、タイラー・ペリーはスピーチでこう語った。

 「私は…

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