「何者か」自問するアジア系米国人 「怒り」の声上げ始めた次世代

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アジア系市民への差別に反対するプラカードを掲げる抗議集会の参加者=米ニューヨークで2021年3月27日、隅俊之撮影
アジア系市民への差別に反対するプラカードを掲げる抗議集会の参加者=米ニューヨークで2021年3月27日、隅俊之撮影

 米国でのアジア系市民への暴力や差別に抗議する集会には、若者が目立つ。母国と米国双方の文化や言語を理解する人が多いが、米国社会で幼い頃から差別を受けて疎外感を持ち、「私は何者なのか」と自問自答してきた。アイデンティティーが揺れ動いてきた若者たちは今、「怒り」という形で声を率直に上げている。

 トランプ前大統領が昨年6月の集会で、新型コロナウイルス感染症を中国武術のカンフーとインフルエンザをひっかけた造語「カンフルー」と呼び、聴衆の笑いをとったと知って、中国系米国人、ルージン・リューさん(27)=ニューヨーク市=は心がかき乱された。自分を差別してきた人たちの姿がトランプ氏と重なった。自分と同じように差別を受けてきた「アジア的」な顔の人たちのことも思い浮かんだ。差別をあおっているのが、自分の居場所である米国の大統領だという現実が一番ショックだった。

 中国生まれのリューさんが米国に移住したのは1999年。5歳だった。より良い生活を求めて80年代に米国に渡った父親に呼び寄せられ、母親や姉ら家族とともに渡米。市民権を得て、高校時代まで南部フロリダ州で暮らした。ほとんどが白人のエリアだった。

 目は大きい方なのに、学校では、アジア系は目が細いと思われていることから「私のこと見える?」とからかわれた。名門・バージニア工科大に通う韓国系の男子学生が構内で銃を乱射し32人を殺害した事件では、「お兄さんがテレビに映ってたね」と家族が容疑者であるかのように言われた。

 「みんなのことが怖くて、…

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