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第94回センバツ高校野球

第94回選抜高校野球大会(2022年)の特集サイトです。

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夢舞台、あっという間 センバツ派遣審判・岡本さんインタビュー /鳥取

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大会第2日の天理-宮崎商戦で二塁塁審を務めた岡本俊介さん=阪神甲子園球場で2021年3月20日、津村豊和撮影 拡大
大会第2日の天理-宮崎商戦で二塁塁審を務めた岡本俊介さん=阪神甲子園球場で2021年3月20日、津村豊和撮影

 今春の選抜高校野球大会で「派遣審判委員」(※1)に選ばれ、憧れの地・甲子園の土を踏んだ県高野連所属審判委員の岡本俊介さん(30)。大会前に「一貫したジャッジを心がけたい」と抱負を語った地元審判界のホープは全国の舞台で何を感じ、何を得たのか。大会での体験などを聞いた。【聞き手・望月靖祥】

キビキビ行動、はっきりジェスチャー

 ――3試合(※2)に出場し、それぞれ二塁、三塁、一塁の順で塁審を務めました。

 ◆最初の試合はとても緊張し、試合が始まってしばらくは気持ちがフワフワしていたが、次第に落ち着きを取り戻して試合に集中できた。3試合があっという間に終わってしまい、最後は「もう少し甲子園にいたいな」という思いが強かった。

 ――どの試合も生き生きした動きでした。

 ◆本来の位置より後ろ過ぎたなど細かい反省点はあるが、まずまずの出来。派遣前に地元で塁審の動きを徹底的に練習した成果が出て、本番では練習通りに動けた。

 ――高校球児だった岡本さんにとって、甲子園出場は昔からの夢でした。

 ◆公式試合で甲子園の土を踏んだのは初めて。4年前に甲子園で開かれた審判委員の全国講習会に参加した際、記念写真を撮ってもよいと言われたが、「派遣で出場しなければ本当に甲子園の土を踏んだことにならない」と1枚も撮らなかった。それほど私にとって甲子園は特別な場所だ。

 ――今回、最も学んだ点は何ですか。

 ◆甲子園は全国に向けた模範試合であり、審判は模範審判であるということ。このため、試合中はキビキビとした行動と、はっきりとしたジェスチャーを強く意識した。また、試合中は一球たりともボールから目を離さないことが大切だと改めて学んだ。

 ――多くのことを経験し、学んだ中で、特に若手審判委員の方々に伝えたいポイントはありますか。

 ◆選手にお願いすることは、まず自分が率先して行動するということ。「走れ」や「さあ行こう」などと声を掛けても、自分がダラダラしていたら選手には伝わらない。また、選手に声を掛ける時は「一塁手」などポジションで呼ぶのではなく、名前を呼んであげてほしい。名前を呼ばれれば選手は振り向いてくれる。その上で、選手を信じてあげることも大切だ。きちんとしたチームなら一度言えば分かる。甲子園でも「一度声を掛けて選手が動いてくれたら、あとは見守ろう」と言われた。ただ声を掛けるのではなく、状況に応じた声掛けを心がけてほしい。

 ――周囲の反応はいかがでしたか。

 ◆妻は「何ごともなく帰ってきてよかったね」とねぎらってくれた。職場(松江市の産業廃棄物処理会社「三光」江島工場)の皆さんからも「おつかれさま」などと声を掛けていただいた。今回、会社の社長や工場長はじめ職場の方々の理解と協力、そして派遣していただいた県高野連や中国地区高野連の皆様のおかげで、夢だった甲子園の土を踏むことができた。皆さんに深く感謝しています。


 (※1) 審判技術の向上を目的に、各都道府県高野連が甲子園へ審判委員を持ち回りで派遣する制度。鳥取県からの派遣は春が8年ぶり、夏を含めると5年ぶりだった。

 (※2) 第2日の奈良・天理―宮崎商戦▽第4日の長野・上田西―広島新庄戦▽第6日の千葉・専大松戸―愛知・中京大中京戦


 ■人物略歴

岡本俊介(おかもと・しゅんすけ)さん

 1990年生まれ。米子工野球部OB。2009年の高校卒業と同時に審判委員となり、今年で審判歴13年目。境港市在住。

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