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安全神話、エビデンスで斬る(その2止) 「原子力の夢」に挫折

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「もやい展」で展示された作品「夜ノ森哀歌」の前に立つ小出裕章さん。桜の名所として知られる福島県富岡町夜の森を、画家・金原寿浩さんが描いた=東京都江戸川区で4月7日、沢田石洋史撮影
「もやい展」で展示された作品「夜ノ森哀歌」の前に立つ小出裕章さん。桜の名所として知られる福島県富岡町夜の森を、画家・金原寿浩さんが描いた=東京都江戸川区で4月7日、沢田石洋史撮影

 

 ◆異端者による、1人の戦い

「差別構造」許せない

 東京電力福島第1原発事故の直後は「東日本が壊滅するのではないか」というショックが日本列島を襲った。「あの日」から10年の歳月を重ねた3月11日。元京都大原子炉実験所助教の小出裕章さん(71)は東京・永田町の憲政記念館にいた。個人や団体が集結した「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」が主催したオンライン世界会議で「特別講演」を行うためだ。タイトルは「原子力マフィアの犯罪」。

 小出さんは45分間の講演の終盤、原発事故で強制避難中の人、自主的に避難している人らの間で分断があることに懸念を示した。「大切なことは被害者には多様な苦悩があることをお互いに認め合い、助け合って加害者と戦うことだと私は思います」。加害者は「原子力マフィア」と定義し「国を中心とする巨大な権力組織で、民衆の力は弱い。でもこの戦いを続けなければ、次の悲劇があることを覚悟しなければいけません」と訴えた。

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