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「同性愛は病気じゃない」 違憲判決の原点に30年前の「事件」

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横断幕を手に札幌地裁に向かう同性婚訴訟の原告ら=札幌市中央区で2021年3月17日、貝塚太一撮影
横断幕を手に札幌地裁に向かう同性婚訴訟の原告ら=札幌市中央区で2021年3月17日、貝塚太一撮影

 同性同士で結婚できる社会の実現を求めて同性カップルが各地で起こした「同性婚訴訟」で、札幌地裁が3月、初の違憲判決を言い渡した。同性愛者が異性愛者と同じ利益を受けられないのは平等に反すると明言したこの判決には、同性愛を公表して活動する2人の大学教授の意見が反映されている。2人を取材すると、ある「事件」を巡り、「同性愛は病気じゃない」と差別に立ち向かった30年前の法廷闘争が原点になっていた。

「生きているうちに違憲出るとは」

 2人は中京大教授の風間孝さん(53)と広島修道大教授の河口和也さん(58)。ともに、男性が恋愛対象だとの性的指向を公表した上で、学生にジェンダー論などを教えている。訴訟では、弁護団の依頼を受けて2020年に札幌地裁に意見書を出した。風間さんは同性愛が明治時代から異常だとされてきた歴史を、河口さんは欧米がどのように同性愛者の権利を認めてきたのかを、それぞれ解説した。

 地裁判決は、かつては精神疾患と考えられてきた同性愛が、世界保健機関が「治療の対象ではない」と示した1990年代前半には、疾患ではないとの知見が確立したと認定。賠償請求は退けたが、性的指向は自らの意思で選択や変更ができないとして、同性婚を認めない民法の規定は「法の下の平等」を定めた憲法14条に反すると判断した。2人の意見書を踏まえた形だ。

 「生きているうちに違憲判決が出るとは」。判決のニュースを聞き、風間さんと河口さんは感慨深さを覚えるとともに、ある「事件」を巡る裁判を思い起こしていた。

同性愛を理由に宿泊拒否

 2人は約30年前、同性愛者の団体「動くゲイとレズビアンの会」(通称・アカー)に所属していた。…

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