日本語に課題の外国人中学生 定時制進学、全体の8倍 神奈川

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学校(写真はイメージ)=ゲッティ 拡大
学校(写真はイメージ)=ゲッティ

 公立中学校で日本語指導が必要な「国際教室」に通う神奈川県内の外国人生徒が、定時制高校に進学する割合は、日本人生徒を含めた卒業生全体の8倍に上る。公益財団法人「かながわ国際交流財団」の調査で判明した。県には外国人生徒の高校進学を支援する入試の特別枠があるが、調査では、実際の外国人生徒の状況に即していない可能性も示された。【木下翔太郎】

 調査は2020年3~9月、国際教室のある公立中72校を対象に、教委や学校が調査票に回答する方式で実施。20年3月に国際教室を卒業した生徒の進路を調べた。回収率は97・7%だった。

 国際教室を卒業した外国人生徒は過去最多の381人(前年度比41人増)で、進路は公立高全日制が204人(53・5%)▽私立高が85人(22・3%)▽定時制64人(16・8%)――だった。日本人生徒を合わせた卒業生全体で定時制に進学したのは2・1%で、国際教室の割合の8分の1だった。

 県や横浜市は国際教室の生徒の進学を支援するため、高校13校に「在県外国人等特別募集枠(在県枠)」を設置している。「日本の滞在期間が通算3年以内(就学前の期間を除く)」「外国籍か日本国籍を取得して3年以内」を条件に、受験科目を国語、英語、数学の3科目に絞り、問題文に読み仮名を振るなどの配慮をしている。

 20年度の在県枠の募集定員は145人で、165人が受験して137人が合格した。一方、国際教室には日本語能力に課題を抱える生徒が少なくないが、20年3月卒業の381人のうち、在県枠の条件を満たした生徒は109人と3割に満たない。このうち在県枠で進学したのは、さらにその半分の54人だった。

 調査の自由記述欄では「在県枠に該当しないが日本語・教科学習に困難を抱える生徒がいる」「在県枠に該当しない生徒が多い」という回答が複数あった。「来日して3年以上たっているが、日本語能力が伸びず、教科学習にも困難があり、入試問題に取り組める状態ではない生徒が多い」との記述もあった。

 同財団は「外国人生徒の可能性をひらくため、在県枠に該当しない生徒にも支援が必要な状況が多々ある」と指摘する。藤分治紀・グループリーダーは「日常会話はできるかもしれないが、教科学習で使う言語の習得にはかなりの時間がかかる。在県枠の要件緩和も必要なのではないか」と話した。

国際教室

 日本語指導が必要な外国人児童・生徒のために小中学校に設置されている教室。日本語指導が必要な児童・生徒が5人以上在籍する学校が都道府県に申請し、認められれば担当教員が1人配置される。県内の中学校では2020年3月時点で横浜市をはじめ15市町教委が72校に設置している。児童・生徒は一般的に週に数時間、在籍するクラスから離れて、別の教室で日本語や他の教科を学ぶ。

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