「医療難民になったよう」 記者が闘う「名付けられない病」に反響

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記事に寄せられた手紙=大阪府茨木市の記者宅で2021年4月20日午後6時52分、谷田朋美撮影
記事に寄せられた手紙=大阪府茨木市の記者宅で2021年4月20日午後6時52分、谷田朋美撮影

 昨年12月25日の本紙「記者の目」に「名付けられない病」と24年闘い続けている体験を書いた。医学で明確に説明できない病を抱えている人は少なくないのではないか――。こう問いかけたところ、メールや手紙で多くの共感や意見が寄せられた。「自分もそうだ」という当事者の声、そして医療者の悩み。取材に応じてくれた読者の声を伝える。【谷田朋美】

「記者の目」要約

 医学で明確に説明できない症状に苦しんでいる人がいる。私自身、15歳から頭痛や倦怠(けんたい)感などインフルエンザのような症状が四六時中続いている。20年以上、医療機関を巡ってきたが、診断は確定していない。

 こうした「病」を患う人は、症状を周囲に訴えてもなかなか理解されなかったり、医療機関で不適切な扱いを受けたりするリスクを負っており、医療・福祉によるケアを十分に受けられないなどの困難に直面している。

声がかれても叫び続けるほどの痛み

 2014年6月、千葉県の弁理士の男性(52)は自宅で家族と夕食中に突然、みぞおちや背中辺りに内臓を握られたり、やりで貫かれたりしたのではと思うほどの痛みに襲われた。妻が運転する車で病院に運ばれ、最も強い鎮痛剤を投与された。しかし全く効かず、耐えるしかなかった。

 以後、毎朝のように強烈な痛みの波が押し寄せるようになった。約3時間ものたうち回り「痛い」と声がかれても叫び続ける。医療機関をさまよったが原因は不明。何度も自死を考えた。男性は「医療難民になったような気持ちだ」と語る。

 激痛発作の「前兆」は13年9月ごろからあった。みぞおちから背中付近に違和感を覚え、次第に常態化。時に座っているのがつらいほどの痛みに増幅した。それ以前、仕事のストレスはあったし、少し下痢をすることもあったが、趣味のジョギングを楽しみ、健康だと信じていた。違和感の直前、激辛食品を口にした。因果関係を疑ったが、何も分からないままだ。

 診察で最初に疑われたのは早期の慢性膵炎(すいえん)。ただ、エコーなどの検査ではっきりした所見はなく、医師には「これほど痛みのある人は見たことがない」と言われた。医師の薦めで胆のう摘出手術を受けたが効果はなかった。神経を永久に遮断する処置を受けてしまえば痛みがなくなる可能性はある。でも副作用が怖く踏み切れないでいる。

 精神疾患まで疑われ、…

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