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おしぼり、氷…飲食店の取引業者もコロナ直撃 新業種挑戦の動き

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例年より依頼が少ない配送の準備をする冨士氷室の従業員=東京都渋谷区で2021年5月3日、西夏生撮影

 新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言を受けて飲食店が休業や営業時間の短縮に踏み切ったことで、取引業者にも打撃が広がる。経営の実情を踏まえた補償を求める声は根強く、新たな業務に活路を見いだそうとする動きも出てきた。

 東京・渋谷の「冨士氷室(ひょうしつ)」は不純物の少ない透明な氷を都心のバーやスナックなど約1400軒に販売する。だが、取引先が相次いで休業し、売り上げは新型コロナの感染拡大前の半分未満に落ち込んだという。

 政府は個人事業者に1カ月最大10万円、中小法人に1カ月最大20万円を支給する「月次支援金」を新設し6月以降に申請を受け付ける。だが、経営へのダメージを考えると金額は決して十分ではない。冨士氷室代表の植松寛さん(58)は「飲食店の休業や時短が続くと存続は難しい。実情に見合った補償を」と訴える。

 東京都新宿区の酒卸問屋「佐々木」は、配達用のトラック約40台を活用して運送業に乗り出す。主として埼玉県北部の飲食店を対象に、同業の卸問屋の酒を配達することを想定。運送業の許可を申請し、6月のスタートを目指す。佐々木実社長(66)は「かつてない危機。従業員の雇用を守るためチャレンジを続ける」と力を込める。

 おしぼりレンタルの「東京すずらん」(埼玉県蕨市)は2月から、飲食店のコック服などのクリーニングを手がける。4月からは取引先の飲食店を対象にアクリル板の販売にも取り組む。いずれも奏功し、現在は売り上げの1~2割を占めるほどに。池ノ谷幸枝総務部長(49)は「地域の困りごとを解決する新事業に取り組みたい」と話す。

 ホテルや結婚式場にカット野菜を卸す東京都大田区の青果卸会社「グリーンハウス東京」は昨年11月、余った野菜を販売する店を区内で開いた。前嶋恭平営業部長(33)は「地域の人に喜ばれる店にしたい」と語った。【井口慎太郎、木下翔太郎】

例年より依頼が少ない配送の準備をする冨士氷室の従業員=東京都渋谷区で2021年5月3日、西夏生撮影

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