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ヤングケアラー

通学や仕事をしながら家族の介護をする子ども「ヤングケアラー」。将来が左右される深刻なケースも。

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ヤングケアラー~幼き介護

「精神疾患を話せる社会に」 ヤングケアラーの生徒が記した心の叫び

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精神疾患のある家族のケアを担う子どもは孤独に陥ることが多い(写真はイメージです)=ゲッティ
精神疾患のある家族のケアを担う子どもは孤独に陥ることが多い(写真はイメージです)=ゲッティ

 精神疾患について話してもよいと思える社会が欲しい――。中高生を対象にしたヤングケアラーに関する政府の調査報告書(4月12日公表)に、こんな訴えが記されていた。調査に応じた生徒が寄せた自由意見の一つだ。たった一行。心の叫びのように感じられた。この生徒がどんなケアをしているのかは調査報告書からは読み解けない。だが、精神疾患に対する差別や偏見から、患者本人やケアを担う家族が一層の孤独に陥る問題は、これまでも研究者や支援者らが指摘してきた。【山田奈緒/デジタル報道センター】

「親に精神疾患」も代表的類型

 政府は全国の中学2年生と、全日制高校2年生を調査した。ケアの対象が「父母」と回答した中高生に、父母の状況(複数回答)を尋ねたところ、「身体障害」(中2で20・0%、高2で15・4%)が最多で、ほぼ同じ割合で「精神疾患、依存症(疑い含む)」(中2で17・3%、高2で14・3%)が続いた。ヤングケアラーは、ケアの対象も内容もさまざまなパターンがあるが、「親に精神疾患」という構図は代表的な類型の一つだ。

 精神疾患のある親と暮らす子どもは、親に代わって家事を担っていたり、不安定な言動を長時間受け止めるなどの感情的なケアを担っていたりするケースが多い。政府調査に関わった有識者の一人、蔭山正子・大阪大教授は「例えば、話を聞くというケアは、延々と同じ話の繰り返しの時もあれば、沈んだ気分の時もある。子どもが親に寄り添うことは簡単ではない」と指摘する。緊張感の中でケアの言葉の一つ一つを丁寧に選び、なだめる。時には親が心配で、親のそばを離れられなくなることもある。

「親の病気を知られたくない」

 だが、…

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