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「菅おろし」吹くのか 45年前、三木政権と似た構図 解散阻むロッキード/コロナ 非主流から「裁定」で首相に

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自民党全敗の衆参3選挙結果について記者団の質問に答える菅義偉首相=首相官邸で2021年4月26日午前10時52分、竹内幹撮影
自民党全敗の衆参3選挙結果について記者団の質問に答える菅義偉首相=首相官邸で2021年4月26日午前10時52分、竹内幹撮影

 衆院議員の任期満了(10月21日)まで半年を切った。現行憲法下での任期満了選挙は三木武夫政権時代の1976年のみ。当時、ロッキード事件の徹底究明を唱える首相を引きずり下ろそうと、自民党内では激しい「三木おろし」の暴風が吹き荒れていた。あれから45年、新型コロナウイルス対策に四苦八苦の菅義偉首相が、あの頃の三木氏とダブって見えてくるのだ。

 「これ(ロッキード事件)が出なければ、予算を通してから選挙ができましたねと私が話すと、三木は『そうだ』と言いました」。そう振り返るのは、三木元首相の秘書だった岩野美代治さん(86)である。76年2月、ロッキード事件の発覚直後に首相公邸を訪れた岩野さんは、三木元首相とのやり取りを今もよく覚えている。当時、新年度予算成立後の衆院解散・総選挙を頭に描いていた元首相だが、戦後最大の汚職事件によってかなわなかったというのだ。

 岩野さんは、元首相とのやり取りのメモをまとめた「三木武夫秘書備忘録」(吉田書店)を2020年11月に出版。同書の編者で、三木武夫研究で知られる明治大兼任講師の竹内桂さん(48)は「三木は選挙で国民の審判を仰ぎ、勝利した上で長期政権を目指していたと思います」と話す。だが、ロッキードでその目算は狂い、解散できずに76年12月5日投票の任期満了選挙へとなだれ込む。政治不信を招いた自民党は、初の過半数割れの大敗を喫し、三木内閣は志半ばで退陣したのだった。

 「今のコロナは、ロッキードと似ている」。そう話すのは元共同通信記者の政治ジャーナリスト、野上忠興さん(80)だ。野上さんは三木政権当時、自民党や官邸で福田派(現・細田派)や井出一太郎官房長官を担当。野上さんによると、自民党に対する世論が一変した事件発覚後の政治状況と、コロナ禍で首相が解散権を行使しにくい現状が似ているというのだ。

 コロナ禍は今、第4波のまっただ中だ。菅首相はワクチンについて、9月までに国内の接種対象者(16歳以上)全員分の確保ができたと胸を張るが、全員に接種を終える時期は見通せない。それゆえ…

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