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金言

欧州総局長、外信部長などを歴任した小倉孝保論説委員のコラム。

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皇室と王室の100年=小倉孝保

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 天皇家で最初に欧州を訪れたのは1921(大正10)年、皇太子時代の昭和天皇だ。3月3日に横浜を出港、英仏など5カ国を歴訪して半年後に帰国されている。

 第一次大戦が終わって3年後である。皇太子はスエズ運河から地中海に入り、マルタではドイツ軍の攻撃で亡くなった日本兵たちの墓に参拝した。地中海からの出口にあたるジブラルタルでは、英国の名門紳士服店の仕立て職人が皇太子を採寸し、ロンドンに着いた皇太子の元に、体にぴったりのえんび服が届けられた。

 当時、ジョージ国王は55歳、皇太子は旅行中に20歳になったばかりだった。国王は我が子のように皇太子に接し、立憲君主制下の国王のあり方について語っている。皇太子にとって大変幸福な時間だったらしい。

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