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心の眼

視覚に障害がある佐木理人記者が、誰もが不安を和らげ希望につながるような報道とは何かを考えます。

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発刊の思い、今も=点字毎日記者・佐木理人

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 99年前の1922(大正11)年5月11日、日本でただ一つの週刊点字新聞「点字毎日」は大阪で産声をあげた。点字毎日とゆかりが深く、同じ視覚障害のある当事者として私が敬愛してやまない人物がいる。明治から大正にかけてイギリスで貿易会社を営んでいた弱視の好本督(よしもとただす)だ。

 全盲の人を「わが隣人」と呼んだ好本は、イギリスの進んだ福祉の実情を点字本で日本に伝えた。私財を投じ、視覚障害者を物心両面で支え、「日本盲人の父」とも称される。

 当時の大阪毎日新聞社(現・毎日新聞社)に点字新聞の発刊を提案。初代編集長には全盲で初めて海外留学した中村京太郎(1880~1964年)を推した。ラジオ放送もなかった時代、日本の視覚障害者に情報の扉を開くきっかけを作った。

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