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公人がLGBTQをいじめる社会 男性カップル、暴露された住所

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小林貴虎・三重県議のブログにアップされた公開質問状の封筒の画像(右下、画像の一部を加工しています)
小林貴虎・三重県議のブログにアップされた公開質問状の封筒の画像(右下、画像の一部を加工しています)

 三重県で今春、自民党県議が男性カップルの自宅住所を公開する問題が起きた。それは社会で弱い立場にある性的少数者が、その権利を守るべき公人から逆に追い込まれるという構図だった。県議は削除して謝罪したものの、その後もカップルを中傷するツイートに賛同していて反省の色は薄いようだ。見え隠れする根深い差別意識の深層を探った。【山下智恵/デジタル報道センター】

 <伊賀市在住の男性カップルの現住所をブログに公開し、本人が「やめてほしい」とお願いしても応じません。公職にある県議が私人の極めて重要なプライバシー情報をさらすことは明らかな人権侵害です>

 三重県議会の稲森稔尚(としなお)県議(草の根運動いが)が、ツイッターでそう訴えたのは3月31日だった。4月2日に記者が気づいた時点で、リツイートは約300件に上っていた。「こんなこと許されるの?」「一般常識から考えても、個人の住所をブログで公開することがいけないことくらい分かります」とのコメントも。地方の議員が発信する情報では珍しい反響の大きさだった。

 LGBTQへの理解はかなり広がっている。何となくそう考えていた記者は、半信半疑で小林貴虎県議(自民党県議団)による3月30日付のブログを見た。伊賀市の嶋田全宏さん(45)と加納克典さん(41)から届いた公開質問状について、回答を載せながら「一方的に質問を突き付け、回答を『要求』する姿勢は非常に攻撃的で敵意を感じる」「自身の見解と異なる意見を認めない一方的な寛容は、60年代の新左翼の思想に通じる」と反発。2人の住所が書いてある封筒の裏をわざわざ撮り、その画像を添えていた。

あおり効果か、携帯電話への非通知着信が数十件に

 それだけではなかった。翌31日付の投稿では、2人と付き添いの稲森氏が自民党県議団の会議室を訪れ、小林氏に画像を消すよう求めた際のやり取りを掲載。「録音していた一部始終を書き起こした」と記していたが、書かれていたのは稲森氏との「場外乱闘」が大半で、2人の依頼には「いきなり公開質問状を送りつけてくるとは、対話する意思が感じられない」と向き合っていなかった。同席していた仲間の自民党県議も、小林氏に抗議する稲森氏をたしなめて部屋から出るよう促すことに集中しているようだった。

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