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東京へ ともに歩む

毎日新聞

東京パラリンピックに向け調整を続ける車いすバスケットボールの鳥海連志(右)=本人提供

パラアスリート交差点

車いすバスケットボール・鳥海連志「やってみる」 変革を起こす

 僕たち車いすバスケットボール日本代表候補選手は9日、東京パラリンピック本番会場の有明アリーナ(東京)で紅白戦形式の強化試合をしました。強化試合は1月にも予定されていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中止に。3回目の緊急事態宣言が出されましたが、このような状況でも試合ができたことをポジティブに捉えています。

     代表候補選手の強化合宿は、4月に入ってから頻度が高くなりました。パラリンピックに向け、調整は詰めの段階に入ります。合宿参加前のPCR検査を含め、感染予防策は徹底されています。合宿期間中は選手間の距離が近くなりがちなので、選手同士が互いの行動に注意するようになりましたね。練習後のクールダウンの際には、ストレッチしながら反省点について話し込んでしまうもの。もしマスクを外している選手がいたら、年齢差に関係なく指摘し合うようにしています。

     出場すれば2回目となるパラリンピックの開幕まで、間もなく100日になります。学校生活に例えると、定期試験を受ける前といった感じでしょうか。これまでの授業をどれだけ復習するかがテストで大事なように、積んできた練習内容の質をどれだけ高めていくかを意識していきたいと思っています。

     パラリンピックが迫って感じるのは、チームの戦術をさらに増やしたいということです。日本の戦術の柱は、複数の選手が車いすで相手の進路を塞いで自陣に閉じ込め、数的優位を作る「バックピック」。体格で劣る僕たちはバックピックを根気よく仕掛け、相手のリズムを崩すことを得意とします。日本は2016年リオデジャネイロ大会で9位でしたが、銅メダルの英国など強豪国からは近年、僕たちの粘り強さが「不気味だ」と評価されることがあります。

     ただ、相手の動きにとらわれるだけでなく、自分たちから積極的に攻撃していくことも重要です。僕が個人技で流れを変えることができれば、チームのアクセントになると思います。ゴール下でのプレーを重視し、今までにも増して得点を狙うようになったのもそれが理由です。

     障害の程度で選手に持ち点が付けられる車いすバスケットボールで、僕はほぼ中間に当たる2・5点の選手です。障害が軽いとされる4点台の選手が攻撃の要になりますが、僕がチャンスメークに限らない動きを見せれば、相手は混乱するはずです。僕にも注意が向けられ相手の守備が手薄になった間に、4点台の選手が本来のように点を奪いに行く――。そんな展開が理想ですね。攻撃面で変革を起こしたいと考えています。(あすは車いすラグビーの倉橋香衣です)

    ちょうかい・れんし

     長崎県出身。手や足に先天性の障害があり、3歳で両膝下を切断。中学1年で車いすバスケットボールを始め、高校1年で日本代表入りした。2016年リオデジャネイロ・パラリンピック代表。17年のU23(23歳以下)世界選手権でベスト5(優秀選手)に選ばれた。WOWOW所属。22歳。