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「しんどいが、楽しい」充実の二刀流 審判兼務のラグビー選手

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3月にトップチャレンジリーグの近鉄-コカ・コーラ戦で主審を務めた滑川剛人=関西ラグビー協会提供
3月にトップチャレンジリーグの近鉄-コカ・コーラ戦で主審を務めた滑川剛人=関西ラグビー協会提供

 3児の父で会社員でもあるトップアスリートが、前代未聞の挑戦だ。ラグビー・トップリーグ(TL)、トヨタ自動車の滑川剛人(31)は今季、選手と審判の「二刀流」を体現した。なぜ、現役時代から始めたのか。そこには、ラグビー界特有の事情があった。

 3月20日、国内最高峰・TLの下部に当たるトップチャレンジリーグ(TCL)の近鉄―コカ・コーラ戦が、東大阪市花園ラグビー場で行われた。その試合の主審は滑川。現役のスクラムハーフ(SH)だけあって引き締まった肉体が目を引く。素早いテンポの展開でも抜群の走力と持久力で選手にぴたりと並走。判定について選手と積極的に会話する姿も印象的だった。

 その1週間後。名古屋市のパロマ瑞穂ラグビー場でのTL・サントリー戦にトヨタ自動車の選手として出場し、後半20分からプレーした。滑川は「しんどいが、楽しませてもらっています」と充実感をにじませるが、その慌ただしさは家族が「休みは少ないけれど体は大丈夫?」と心配するほど。滑川は「2023年、27年のワールドカップ(W杯)の舞台に日本人で初めて主審として立つことが使命です」と力強い。

 トップレベルで選手と審判を兼務するのは他競技を含めても異例だ。三振のコールの際に取る姿勢から「卍(まんじ)の敷田」と称されるプロ野球の敷田直人さんや、サッカーの14年W杯の開幕戦で主審を務めた西村雄一さんといった各界の著名な審判も選手時代には兼務を経験していない。

 滑川は帝京大出身の10年目。トヨタ自動車の社員選手として人事管理の社業…

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