母の日・父の日募金キャンペーン 母が応援してくれた夢

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母が「大好き」と言ってくれた笑顔を忘れずに過ごしたいと話す田中さやさん=東京都日野市で
母が「大好き」と言ってくれた笑顔を忘れずに過ごしたいと話す田中さやさん=東京都日野市で

 両親への感謝の気持ちを、困難な状況で頑張る子どもたちに託す毎日新聞の「母の日・父の日募金キャンペーン」が今年も始まった。9日の母の日を前に、高校3年生の時に母親を亡くした札幌市出身の大学1年生、田中さやさん(19)に思いを聞いた。

 「さやのにこにこ笑顔が大好き」。そんな言葉で、普段から何気なく愛情を伝えてくれる。そして、どんな夢でも応援してくれる。それが母美香さんだった。父一也さん(58)と経営するコンビニエンスストアを切り盛りしつつ、田中さんが幼いころから続けたピアノのレッスンに付き添い、やりたいことがあれば背中を押してくれた。

 高校2年だった2018年9月、一也さんと兄が外出していたため、田中さんは美香さんと2人だけの食卓に着いた。「ちょっと話があるんだけど。実は乳がんなんだ」。さらりと告白された。明るい様子なので、深刻な状態とは思えなかった。この時ステージ4だったことは、美香さんが亡くなってから知った。

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