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「ワクチン敗戦」は「週刊文春」(4月8日号)の見出しだが、連休中、テレビでワクチン供給の遅れについて聞かれた河野克俊前統合幕僚長(66)が、あっさり言ってのけた。
「戦略が全く疑問」「完全に失敗したと思っています」(BS朝日「日曜スクープ」5月2日放映)
一昨年まで陸海空自衛隊を率いてきた人の公の発言である。ワクチンはなぜ遅れているのか。今後、どうなるか。同僚や専門家に聞いて理解したことの一端を書き留めてみる。
◇
供給の遅れは、ワクチンに消極的な厚生労働省のせいだ――と厚労省以外の政府関係者は異口同音。「あそこは新しい現実への対応が苦手」。前例踏襲主義の厚労省をあげつらう官邸や外務省の高官の口ぶりには怒りさえにじむ。
顧みれば、厚労省は数々の薬害に直面し、訴訟を抱え、救済・補償を担ってきた。責任問題に敏感。規制法令を無視し、とにかくワクチンを集めろ――と言われても動かない。
「ワクチンというのは何かあった時にメチャメチャ責められる。…
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