「まるで封建制」 斎藤幸平さんが語る巨大ITへの反攻

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斎藤幸平さん=大阪市北区で2020年9月9日、大西達也撮影 
斎藤幸平さん=大阪市北区で2020年9月9日、大西達也撮影 

 もはや抵抗できない流れなのだろうか。世界のすみずみに広がる、プラットフォーマー(PF)と呼ばれる巨大IT企業の影響力のことだ。新型コロナウイルス禍でネットの利用が増えた結果、PFへの依存はますます進み、富の集中が一段と加速しているようにも見える。私たちは消費者として労働者として、新しい時代にどう対処していくべきなのか。際限ない成長追求の弊害を説いた著書「人新世の『資本論』」(集英社)がベストセラーとなっている大阪市立大准教授、斎藤幸平さん(34)に話を聞いた。【聞き手・村尾哲/経済部】

コロナで広がった格差

 ――きょうのテーマであるPFに絡んで、斎藤さんは毎日新聞で連載している「分岐点ニッポン」の中で、出前仲介サービス「ウーバーイーツ」の配達に挑戦していましたね。あの体験から何を感じましたか?

 ◆私が配達員をやってみたのは、昨年3月、1回目の緊急事態宣言が出る直前でしたが、そのあと一気にウーバーイーツがメジャーになりましたね。その取材時には、規定の配達数に達すると「クエスト」という追加報酬がでたり、忙しいエリアでは「ブースト」と呼ばれる報酬料の割り増しがあるなど、「お金の払いがいい」という声がありましたし、バイク便のメッセンジャーだった人が転職して月100万円を稼いだという話も聞きました。

 しかし、先行する欧米と同じく、厚遇は長く続かないと思っていました。プラットフォーム企業の側が、同意なく報酬体系などのルールを変えてしまうことができますし、配達員が増えれば競争が激化し、…

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