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私の記念碑

表現者たちが転機になった一作を語ります。

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歌舞伎俳優 尾上菊五郎/1 立ち役も 女形も

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=宮間俊樹撮影
=宮間俊樹撮影

 代々の歌舞伎俳優は、時として競走馬のサラブレッドに例えられるが、菊五郎は異を唱える。

 「サラブレッドではなく農耕馬ですよ。劇場での1カ月興行の約25日間、ポッコポッコ、ポッコポッコと同じペースで歩き続ける。パワーも要りますしね」

 立ち役と女形を兼ねる当代きっての歌舞伎俳優。1942年10月2日、七代目尾上梅幸の長男に生まれた。梅幸は明治から昭和にかけての名優、六代目菊五郎の養子で、六代目没後は二代目尾上松緑らと共に菊五郎劇団を率いて戦後歌舞伎を代表する女形のひとりとして活躍した。

 48年4月、東京・新橋演舞場で「助六曲輪菊(すけろくくるわのももよぐさ)」の禿(かむろ)たよりで五代目丑之助を名乗り、初舞台を踏んだ。助六は六代目菊五郎、相手役の揚巻は七代目沢村宗十郎、父の梅幸は三浦屋女房を演じていた。

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