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入管・難民問題

国外退去処分になった外国人の入国管理施設での扱いが注目を集めています。難⺠に厳しいと言われる日本。人権は守られている︖

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「ちょっとかじっただけ」で難民申請を拒否 元政務官のロジックとは

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「入管法改悪反対!緊急院内集会」で政府案は廃案にすべきだと訴える児玉晃一弁護士=参議院議員会館で2021年4月22日、後藤由耶撮影
「入管法改悪反対!緊急院内集会」で政府案は廃案にすべきだと訴える児玉晃一弁護士=参議院議員会館で2021年4月22日、後藤由耶撮影

 出入国管理及び難民認定法(入管法)改正案の審議が続く衆院法務委員会で、難民の認定方法を巡る議論が繰り広げられている。質疑応答の中で関係者が驚く発言があった。法務政務官経験者の議員が「納得がいかなくてサインを拒否した」と難民認定を拒んだ経験を明らかにしたのだ。2019年の日本の難民認定率は0・4%。その厳しさから国際的にも批判を浴びる日本の難民認定の当事者たちの意識とはどのようなものなのか。耳を傾けてみた。【木許はるみ、菅野蘭/デジタル報道センター】

 「私自身どうしても納得いかなくて、サインを拒否した。法務省の役人から上がってきた段階では、この方は難民認定したいと思いますということで、事務方から上がってきたが、説明を聞いてもですね、この方がなぜ難民なのかが理解できない」

 4月21日の参考人質疑で、こう発言したのは2016年発足の第3次安倍再改造内閣で法務政務官を経験した井野俊郎衆院議員(自民)だった。井野氏は弁護士で群馬県伊勢崎市議を経て、2012年に初当選し、現在は3期目を迎える。

 井野氏は「法務大臣政務官というね、確かに1年間、私も難民認定をちょっとだけかじったという程度ですけどね。じゃあ、救われるべき人がもっと多くいたか、むしろ逆にもっと少なかったんじゃないかと僕は思っている」とも発言している。

 繰り返すが、2019年の日本の難民認定率は0・4%。カナダが55・7%、英国は46・2%、ドイツが25・9%、米国は29・6%である。欧米諸国に比べて日本の認定率は極端に低く、日本で不認定になった外国人の家族が、別の国で難民として認められているケースは複数ある。だが、井野氏の印象では「(日本では難民認定によって救われるべき人が)もっと少ない」というのだ。

 日本の難民認定の手続きは2016年当時、地方の出入国在留管理局が当事者の状況を調べ、法務大臣名で認定・不認定が決まっていた。省内の誰が決裁するかはケースによって異なり、法務省はその詳細を公表していない。だが、井野氏は決裁により認定を拒否したことを自ら明らかにした。「難民認定をちょっとかじった程度」(井野氏)の政治家が難民かどうかを決めていたことになる。

 では、難民として認定すべきだとして法務省職員から報告されたケースを政治主導でひっくり返した理由とはどんなものだったのか。…

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