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ウイルス専門家に聞く「コロナ変異株の正しい恐れ方」

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東海大医学部の中川草講師(ゲノム科学)=本人提供
東海大医学部の中川草講師(ゲノム科学)=本人提供

 英国やインドなど、世界各地で新型コロナウイルスの変異株が発生し、国内も関西で英国株が感染の中心になるなど猛威を振るっている。感染力が強く、ワクチンが効きにくいとされる変異株はなぜ生まれるのか。どのような対策が必要なのか。ウイルスの変異に詳しい東海大医学部の中川草(そう)講師(ゲノム科学)に聞いた。【聞き手・渡辺諒/科学環境部】

ウイルスの変異、特別な現象ではない

 ――ウイルスの変異とは何でしょうか。

 新型コロナは、4種の塩基と呼ばれる化学物質が、1列に並んだ「RNA」という分子に遺伝情報を蓄えています。この列には、約3万の塩基が含まれ、新型コロナ特有の並び順になっており、この遺伝情報に従って、ウイルスの形状や感染・増殖する能力などが決まります。ウイルスが体内に侵入して増殖する際には、このRNAがコピーされますが、誤った塩基がコピーされたり、ある塩基が抜け落ちたりするなどのコピーミスが起こります。これが変異です。多くは不良品となります。しかし、ワクチンによって作られた免疫の攻撃からたまたま逃れられるなど、ウイルスにとって有利な性質を持つものが登場すると、従来のウイルスに取って代わることがあるのです。

 ――新型コロナの変異の頻度は高いのでしょうか。

 遺伝情報をRNAで持つ他のウイルスと比べても、特段高いということはありません。変異する速度は、1年間に約24の塩基が置き換わる程度と言われています。2週間に1回どこかの塩基が変化している計算です。これは、インフルエンザウイルスに比べると3倍ほど遅いです。

 一方で、他のコロナウイルスの研究から、100万回のコピーにつき、1回程度の変異が起こると推察されています。1人が感染すれば体内で100万回以上コピーが行われますので、感染者1人の中でも複数の変異ウイルスが生まれているでしょう。つまり、流行の規模が多ければそれだけ変異株が生まれ、多くが不良品だったとしても、その中にウイルスにとって有利なものが生じてしまい、それが広がってしまう可能性が高まるというわけです。

 ――変異株に対してどのような対策が必要でしょうか。

 変異自体は止められませんので、…

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