名古屋入管収容のスリランカ女性死亡 医師「適切な栄養補給されず」
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名古屋入管に収容されていたスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)が3月6日に死亡した問題で、毎日新聞は関係者から死亡直後と1月25日の2回分の血液データを入手し、その分析を医師に依頼した。医師は、1月時点と比べて死亡直後の血液データの栄養状態が大幅に悪化していることから、「亡くなるまでの40日間に、適切な水分、栄養補給がされていなかったことを意味する」と指摘した。出入国在留管理庁がまとめた中間報告書には、収容施設内の診療室に勤務する准看護師がウィシュマさんの「OS―1(経口補水液)の飲用量が多すぎるのではないか」と疑い、水分補給を制限するよう職員に指導したと記されていた。同庁は7月にも最終報告をまとめる方針だが、入管側の医療対応が適切だったかどうかが焦点になりそうだ。【和田浩明、上東麻子/デジタル報道センター】
中間報告書などによると、ウィシュマさんは2021年1月中旬から嘔吐(おうと)や食欲不振、体重減少、体のしびれなどを訴え始めた。入管側は「容態観察」のため監視カメラ付きの単独室に移した。ウィシュマさんは健康上の理由で一時的に収容を解く仮放免や、外部病院での点滴などを求めたが入管側は認めなかった。
3月6日午前8時12分ごろには、入管職員が血圧や脈拍を測ろうとしたところ「計測器がエラー表示となり測定できなかった」と報告書に記されている。午後2時7分ごろ、ウィシュマさんの脈拍がない状態であることを職員らが確認し、名古屋市の総合病院に緊急搬送した。午後3時25分、搬送先の病院で死亡が確認された。
入管側が衆院法務委員会の議員に示した司法解剖結果には「甲状腺炎による甲状腺機能障害により全身状態が悪化し、既存の病変を有する腎などの臓器不全が加わり死亡したとするのが考えやすい」と記されている。
しかし、緊急搬送された後、病院で受けた血液検査やCT検査の画像から、複数の医師が「集中治療室での高度医療が必要なレベルで、もっと早く病院で治療を受けさせるべきだった」「死亡前1カ月以内に採血などの検査が行われていなかったら医療的には疑問があります」などと指摘していた。
すでに「脱水気味だった」
今回、毎日新聞が関係者から入手したのは…
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