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少子化考

世界各地を記者が歩きながら、少子化社会の課題や、子どもを持つ意味、家族の幸せとは何かを考えます。

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住宅費高騰、若者の生きづらさ… 韓国、出生率世界最低水準の背景

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団地の敷地内で、子供向けの遊具がある広場の前に立つ崔基勲さん=ソウル近郊の京畿道安養市で2021年5月1日、渋江千春撮影
団地の敷地内で、子供向けの遊具がある広場の前に立つ崔基勲さん=ソウル近郊の京畿道安養市で2021年5月1日、渋江千春撮影

 深刻化する少子化で日本の人口は100年後には半減すると推測されている。一方、世界には、日本と同じように少子化に悩む国もあれば、対策を講じて歯止めをかけた国もある。世界各地を記者が歩きながら、共通する課題や子どもを持つ意味、家族の幸せを考える連載「少子化考」。1回目を、韓国から始めたい。

 韓国の2020年の合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子どもの数に相当)は日本の1.36(19年)を下回る世界最低水準の0.84。人口は初めて減少に転じた。その背景には何があるのか。

結婚する余裕がない 進む晩婚化

 ソウル市松坡(ソンパ)区に両親と一緒に住む日本語講師の男性(32)は、6歳年下の女性と付き合い始めて2年以上がたったが、結婚の予定はない。両親からは冗談まじりに「いつ孫が見られるか」と言われるが、まだ2人で暮らしていく自信はない。「自分自身もまだ一人前になれていないから」と語る。

 韓国の少子化の最大の要因は、結婚しない若者の増加だ。

 男性は、高校3年生の時、入試のための詰め込み教育に嫌気がさし、通信制の大学に入学。アニメやゲームで親しんだ日本語を専攻した。兵役も終え大学も卒業。企業へ履歴書を送った。だが、大学生の就職率は日本の9割超に対し約6割。厳しい競争の中、通信制大学卒業では就職が難しいという現実に直面した。通学制の大学院に進学し、在学中の16年夏からフリーランスの講師と…

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