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日本文化をハザマで考える

日本文学研究家のダミアン・フラナガンさんが、日英の「ハザマ」で日本文化について考えます。

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日本文化をハザマで考える

第37回 人をとりこにする、ソールズベリー大聖堂と金閣寺

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ソールズベリー大聖堂の尖塔=ダミアン・フラナガン撮影
ソールズベリー大聖堂の尖塔=ダミアン・フラナガン撮影

 南アフリカ・ケープタウンの東に、「カルー」という半砂漠地帯がある。以前、そこをドライブしている時、グラーフライネという、人口3万5000ほどの町を見つけ、すっかり気に入ってしまった。道は魅力的で、歴史を感じさせ、どこもかしこも満開のジャカランダ(紫雲木=しうんぼく)で覆われていた。

 ある夜、見事な梁(はり)のある地元のレストランで食事をしていて、私は天国にやってきた、と思ったほどだった。後で分かったことだが、そう思ったのは私だけではなかったようだ。ビクトリア時代の探検家、デビッド・リビングストンも、グラーフライネは「アフリカで一番美しい町」と言ったらしい。

 グラーフライネがあまりにも気に入ったので、私はその町の不動産を調べ始めた。ビクトリア時代の美しい平屋に案内されたが、そこには鉄の格子細工で飾られたベランダがあり、丘が見晴らせた。それがたったの3万ポンド(約420万円)で売り出されていた。もし私が独身だったら、その場でその家をクレジットカードで買って、執筆活動をするためにその家に移り住もうと真剣に考えていることだろう。

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