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世界の自動車メーカーが本腰を入れ始めた電気自動車(EV)。開発に参入する異業種も相次ぎ、その中には映画や音楽の印象が強いソニーグループもある。社内で手掛けているのは、犬型ロボット「aibo(アイボ)」の開発チームだ。既に公道で走行実験を始めているほどだが、市販化の予定は無いという。それにもかかわらず注力しているのはなぜか。開発チームのトップに聞いた。
最高時速は240キロ
東京都港区のソニー本社で4月下旬、試作車「VISION―S(ビジョンS)」を取材した。全長4メートル89の4人乗りセダンで、丸みを帯びたメタリックな外観はまるでIT機器だ。スマートフォンで操作すると車体にLEDの光の線が走り、ドアロックが解除。乗り込むとダッシュボードには横長のタッチパネルが据えられ、大迫力の音響で映画や音楽を楽しめる。
フル充電の走行距離は非公表だが、最高時速は240キロにも達する。一般道の試験走行を2020年12月のオーストリアを皮切りに欧州で始めており、日本でも予定する。性能を高めて、特定条件下の完全自動運転が可能になる「レベル4」を目指している。今後はスポーツタイプ多目的車(SUV)など複数の車種も開発を検討しており、並々ならぬ力の入れ方だ。
開発を担っているのはソニーの「AIロボティクスビジネスグループ」で、アイボの現行タイプを手掛けた。チームを率いる川西泉執行役員は「自動運転車も周囲を認識して動くため、…
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