「安全に終わりはない」信楽高原鉄道事故、社会変えた遺族たち

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鉄道安全推進会議(TASK)が事故現場に設置した「安全の碑」。航空・鉄道事故調査委員会の設立について記している=滋賀県甲賀市で2021年5月10日午前9時56分、礒野健一撮影
鉄道安全推進会議(TASK)が事故現場に設置した「安全の碑」。航空・鉄道事故調査委員会の設立について記している=滋賀県甲賀市で2021年5月10日午前9時56分、礒野健一撮影

 「安全に終わりはない」

 1991年の信楽高原鉄道事故で長女信子さん(当時26歳)を亡くした臼井和男さんの口癖だった。娘を奪われた悲しみを胸に、市民団体「鉄道安全推進会議(TASK)」の初代会長として公共交通の安全を求め続けた。2005年に65歳で死去。TASKが発行した追悼集「ぬくもり」にはその軌跡が克明に記されている。

 京都市で両親と暮らし、陶芸関係の仕事をしていた信子さんは世界陶芸祭を視察するため信楽に向かい、事故に遭った。「友達と焼き物の話をするのが好きで、きらきらと輝いていた」。妹の慈…

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