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叱らず責めず、若者の心に灯 ツイッターで人気、直木賞作家が車椅子に 志茂田景樹さん

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自宅でポーズをとる作家の志茂田景樹さん=東京都武蔵野市で2021年5月5日、小出洋平撮影
自宅でポーズをとる作家の志茂田景樹さん=東京都武蔵野市で2021年5月5日、小出洋平撮影

 派手なヘアカラーにタイツ姿の直木賞作家として一世を風靡(ふうび)し、1990年代にテレビ番組で活躍して人気者になった。あれから四半世紀余。81歳になった志茂田景樹さんは病魔やケガに襲われ、車椅子生活を送る。とはいえ、である。志茂田さんのツイッターには40万人以上のフォロワーがいて、若者からの人気は今なお健在なのだ。

 「新型コロナウイルスがまん延して世の中は大きく変わっているのでしょうけれど、車椅子ユーザーの生活は大きく変わりませんね」。東京都内の自宅に伺うと、オレンジ色に髪を染めた志茂田さんがヌフフと笑みを浮かべ、妻の光子さん(73)とともに出迎えてくれた。

 派手なファッションに、相変わらずの細身の体形。そして日本人離れした彫りの深い顔立ち。「20年前と僕自身はあまり変わってないかもしれませんけれど」。ひょうひょうとした口ぶりも、昔テレビで見た印象そのままだ。

 志茂田さんは2017年、77歳の時に関節リウマチを発症した。19年には療養先の温泉宿で転倒して腰椎(ようつい)を骨折。歩行が難しくなり、車椅子生活になった。体の自由は利かず、外では光子さんに車椅子を押してもらう。トイレ一つとっても、便器に腰かけることさえできなくなり、夜間はしびんを使う。

 変わらないと言いつつ、志茂田さんは体験したことのない車椅子の日常に直面しているのだが、「僕は何でも受け入れる主義。以前の生活に執着せずに、新しい世界を楽しんでいます。2カ月に1回の美容院は欠かしませんしね」と涼しげだ。

 午前9時に起床し、スマートフォンでメールをチェック。その後、ツイッターをアップし、机に向かって原稿を書く。パソコンは1日6時間と決めていて、仕事の合間にツイッターでつぶやく。

 年齢も性別もまちまちのフォロワー41万2000が志茂田さんを追いかけ、そのつぶやきに「いいね」が1000を超えるのも珍しくない。ツイッターを始めてしばらくすると、人生相談が届くようになり…

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