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金言

欧州総局長、外信部長などを歴任した小倉孝保論説委員のコラム。

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ホームズの謎=小倉孝保

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 1902年から3年間、英首相を務め、ユダヤ人国家建設を支持したことで知られるアーサー・バルフォアはある日、家人にこう言ったとされる。「きょうは良いニュースがある。コナン・ドイルがまた、シャーロック・ホームズを書いた」

 当時の英国人はしばしば、あいさつでホームズを話題にした。バルフォアの言葉には、探偵小説がニュースになるほど平和だとの解放感や、多忙であっても文学を楽しむ余裕を持ちたいとの願いが含有されている。

 ドイルは1859年、スコットランド・エディンバラに生まれ、地元大学の医学部を卒業している。彼が描いた探偵、ホームズは英国各地を訪れながら、スコットランドを訪問した跡はない。学生時代の恩師をモデルにホームズを作ったとされるドイルが、スコットランドを描かないのは謎である。

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