川崎・簡易宿泊所 今も300人が身を寄せ あの火災から6年

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簡易宿泊所などが建ち並ぶ一帯=川崎市川崎区で2021年5月14日午後3時53分、宮島麻実撮影
簡易宿泊所などが建ち並ぶ一帯=川崎市川崎区で2021年5月14日午後3時53分、宮島麻実撮影

 川崎市川崎区日進町の簡易宿泊所2棟が全焼し11人が死亡した火災から17日で6年がたつ。周辺の簡宿は火災直後に比べて半数ほどに減ったものの、今も身寄りのない生活保護受給者ら300人以上が身を寄せ、中には90歳以上の人もいる。市が転居支援などに取り組む一方で、高齢化が進む街を歩いた。

【宮島麻実】

 火災現場に近い簡宿の入り口付近に古びた灰色の車椅子を見つけた。持ち主の元土木作業員、田中信二さん(67)はこの宿で暮らし始めて約10年になる。室内の移動でもつえが欠かせないが「今みたいに一人でなんとか動けるうちは、この生活を続けたい」と話す。

 田中さんは愛知県で生まれた。若い頃は営業や土木関係の日雇いの仕事などで各地を転々とした。だが50代半ば、脳梗塞(のうこうそく)で倒れて右半身不随になり、仕事を続けられなくなった。この宿に滞在することになったきっかけは「脳梗塞で入院中に退院先を探していた時、その病院があった区の担当者から、経済面などの理由でここらへんの簡宿を勧められたから」だった。

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