練習場所も資格も失うパラ選手 「燃料空っぽの車をふかすよう」
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東京パラリンピックは16日、開幕100日前を迎えた。本来であれば大会に向けたラストスパートの時期だが、新型コロナウイルスの感染拡大は一向に収まらず、選手強化や大会準備は停滞している。
「どこでもいいから柔道をさせて」
京都府南部の福祉施設内にある体育施設「サン・アビリティーズ城陽」(城陽市)。この施設を巡り、日本パラ・パワーリフティング連盟の吉田進理事長は頭を抱えていた。「強化拠点を使えないのはあまりにも痛い……」。4月、京都府などを対象とした緊急事態宣言が発令され、施設は休館になった。宣言解除を想定し5月14~16日に予定していた強化合宿は、宣言延長により中止された。合宿に参加予定だったある選手は「大会に向けて追い込む時期なのに、予定が狂った。もどかしい」とこぼした。
頼みの綱だった強化拠点が閉鎖され、「自助」での練習を余儀なくされているパラ選手たちは、モチベーションの維持に苦心する。競泳(視覚障害)の富田宇宙(32)=日体大大学院=は「パラリンピックがどうなるかよりも、家とトレーニング場を往復する生活がむなしくなってきた。ガソリンが空っぽの車をふかしている感じ」と表情を曇らせる。柔道のある選手は延期で鈍った試合勘を取り戻すために出稽古(げいこ)を増やしたが、コロナ下で受け入れ先の活動が次々と中止になり「どこでもいいから柔道をさせてほしい」と悲痛な声を上げる。
さらに「中止」「再延期」を求める世論も選手の心を揺らす。ある金メダル候補は「大会開催に反対意見があるのは分かっている。安全…
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