特集

入管・難民問題

国外退去処分になった外国人の入国管理施設での扱いが注目を集めています。難⺠に厳しいと言われる日本。人権は守られている︖

特集一覧

社説

入管法の改正案 一からの見直しが必要だ

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷

 外国人の人権をどう考えるのか。政府の姿勢が問われている。

 在留資格を失うなどして非正規滞在となった外国人の帰国を徹底させる入管法改正案について、与党は週内に衆院法務委員会で採決する方針だ。

 国外退去処分を受けた人が帰国を拒み、入管施設に長期間収容される状況を解消するための法改正だと、政府は説明している。

 しかし、帰国すると身に危険が及ぶ恐れがあったり、日本に家族がいたりする人が多い。改正案はこうした事情に配慮していない。

 送還を免れる目的で難民認定申請が乱用されているとして、3回目以降の申請者は強制退去の対象とする規定が盛り込まれた。

 だが、日本の難民認定は世界的に見て厳しすぎると指摘されている。この規定は、さらに門戸を狭めるものだ。

 一方で、裁判所の許可なしに入管当局の判断で施設に収容することができ、期間の制限もない点は是正されていない。いずれも国際的に批判されてきた。

 これらについて、野党は法案の修正を要求したが、与党との協議は決裂した。

 国会審議では、名古屋市の入管施設に半年あまり収容されていた33歳のスリランカ人女性が死亡したケースで、入管当局の対応が問題視されている。

 収容中に体調が悪化したにもかかわらず、必要な医療を受けられなかった疑いが出ている。診察した外部の医師は、一時的に収容を解く「仮放免」を提案したが、実行されなかった。

 女性は留学の在留資格を持っていたものの、学費を払えず学校に通えなくなり、非正規滞在となった。同居男性の暴力から逃れようと警察に助けを求めたが、逮捕されて施設に収容された。

 入管法改正案の根底には、外国人の非正規滞在を決して認めないかたくなな考え方がある。

 政府は人手不足を補う労働力として外国人を受け入れながら、待遇改善や雇用環境の整備は怠ってきた。非正規滞在が生じる背景には、こうした外国人政策がある。

 人権への配慮を欠く入管法改正案は一から見直すべきだ。そのためには、外国人の受け入れ政策を抜本的に改めなければならない。

【入管・難民問題】

時系列で見る

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る

注目の特集