川村英司の卒寿記念「独唱会」 時間から自由に=梅津時比古
毎日新聞
2021/5/16 東京朝刊
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自分の死は見ることができないので分からないが、他人の死は認識できる。自分の年齢は自分で分かるが、他人の年齢は自分が体験することができないので分からない。90歳と20歳と、どう違うのだろうか。
バリトン、川村英司(えいし)の卒寿記念の「独唱会」を聴いた(4月23日、東京・豊洲シビックセンターホール)。共演のピアノの小林道夫も米寿である。
一般的に、年齢は周りの社会の通念が規定するものと心得てはいたが、その規定に基づいた予想が、ここまで覆されるとは思わなかった。第一声から、いわゆる通念上の感覚で言えば、恐ろしく若い。
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